日本ではコロナ禍が小康状態となり、各種Go Toキャンペーンがスタートしている。しかし、アメリカではコロナ感染者数は収まっていない。ただ、ギターの生産地域であるナッシュビルやモンタナでは、ギターの生産はされており、通常通りとまではいかないが、日本にも入荷している。
ギタータウンでは以前(6月下旬)、御茶ノ水のG-Club 東京の藤川 忠宏氏に、その時点でのギブソン製品の入荷状況についてインタビューした。今回はそのインタビューの続編だ。今回の内容はそれ以後の入荷状況や現在も続くリモートでの商品選定、そして、NAMMショーが無いため藤川氏が肌で感じる今後の製品展望など、多岐にわたる内容で、話を訊いた。
なお、コロナの状況は今後も刻々と変わり、藤川氏も日本の楽器店のスタッフという立場に過ぎないので、記載されている展望などはお約束できないが、一定の指針としてご覧いただきたい。
記事目次
【2階】 カスタム ・・ リモート時代の選定品の現状と製品の仕入れ
前回の取材から丸3か月ですが、G-Club 東京の在庫は本数も内容も充実していますね。結構、仕入れ面では苦労してらっしゃるのが伺えます。
お客様からの中古や委託品を除けば、ギブソン製品の多くは、アメリカからの輸入品ですから。去年の今頃に発表された白い70s Flying V / Explorerとかがようやく最近入荷したりで、まだコロナ前ほど安定はしていません。
特に藤川さんが直接担当しているカスタムやヴィンテージは仕入れが大変ですよね。今日、来てみたところ、3か月前い多かった60周年1960の代わりに定番の1959年型のヒストリック・コレクションやJapan Limited Run(日本からの企画製品)が目についています。この59年型のヒストリック達は、前回のお話にあったリモートによる入荷品でしょうか?
今ある59年サンバーストのVOSの多くは2020年製です。これはナッシュビルで作られた完成品をリモートで選んだものです。最近は毎朝、パソコンでリモートオーダー専用のサイトを見るのが日課になってるんですよ。
それはギブソンのアメリカでのサイトですか?
そうです。一部のディーラーだけが見られる特別なサイトです。このサイトは以前からあるものですが、直接ナッシュビルで買付けできないので、最近はよく使っています。
ちょっと見せてください。(※特別にPC画面を覗かせてもらいました)結構本数があるんですね。
ですよね。バーストなどはアイドルグループのオーディションみたいでしょ(笑)。
でも、「これだ」と思って注文して、思った通りの杢目のものが来ますか?
それは難しいですよ。というのも期待通りにはなりません。それは期待が強すぎるから。
どういうことですか?
サイトを見る時、「この写真の感じだと、だいたいこの辺からこの辺だろう」みたいに少し幅を見てるんです。そうするとその幅からは外れない。そんな風に5本輸入すれば、G-Club Tokyoの店頭を飾るにふさわしい5本に収まるんです。
ああ、オーディションで色々な人を選べは、グループには色々なタイプのキャラクターが揃う?(笑)
実際にお買い上げいただくのはお客様ですから。私の仕事は楽器の個性や良い部分を見つけてアイドルグループを編成することです。オンリーワンの推しメンを選ぶのはお客様です。だから、私はお客様のことを想像しながら注文しています。これは当店のように本数を揃えているからできることです。
なるほど。じゃ、今日ある中で僕好みの推しメンを選んで2本記事に紹介しますね。
オンラインで選定した『2020年製 ヒスコレ59』
▲Gibson Custom Les Paul Standard
2020 VOS Washed Cherry Sunburst #90563 価格=628,000円(税別)
3.99kg
▲Gibson Custom Les Paul Standard
2020 VOS Washed Cherry Sunburst #90298 価格=628,000円(税別)
3.99kg
でも、その方法だと、アメリカで直接見て選定するのと違うからストレスになりませんか?
渡米しての選定する時は、当店(G-Club Tokyo)だけでなく黒澤楽器店の全店を代表して行きますので、かなりの本数を選びます。それに1本1本を手に取って確認もできます。なので、仕方のない事ですが、リモートではどうしてもギャンブルみたいな感じにもなりますね。
それでも選べるだけありがたいですが。
「リモートだと届いて、こんなつもりじゃなかったのに」と後悔するようなことは?
あんまりありませんね。見た目というのも、それぞれの個性ですから、どれもそれなりによく見えるんですよ。
選定品だけでなく、今回はJapan Limited Runが目につきますね。
ご存知と思いますが、Japan Limited Runはギブソンが日本国内の楽器店や市場の意見を取り入れて、アメリカにオーダーした商品です。今あるのは、今年のはじめから4月ごろにオーダーした製品が多いと思います。
これが前回のお話にあったカスタムとかですね?
特に黒のカスタムやゴールド・トップは杢目が関係なく頼めるので、このご時勢は大きなメリットです。ただ、それらも年代やネックのグリップ、細かなパーツの組み合わせで、バリエーションが生まれます。今あるものだと56年のカスタムで、アルニコPUだけど59年の細めのネックとか。
藤川さんはネックのグリップにうるさいタイプですものね?(笑)
私は、レスポールの定説で「初期は太いけど、年々少しずつ細くなる」みたいに言われているのはどうかと思うんです。私の経験則では、初期から59年までの間にも、いくつかのネック・シェイプのパターンがあると感じています。ちょっと太めなのもたまにありますが、全体的には割と細めの握りやすいシェイプが多い気がします。1960年途中からは更に細くなりますが。それはゴールドトップもカスタムでも同じです。ゴールドトップ、カスタム共に通常モデルは57年タイプが基本で、ちょっと太めのネック・シェイプになっています。なので、“59年のネック・プロファイル”を転用することでオリジナルに近い、細いネック・シェイプのモデルを特注したりしています。他にもピックガードなしのゴールド・トップで、ギブソン・ロゴを下げた“あの人”風とか、色々とバリエーションは作れます。
この白の68年カスタムは?
それは今回新たに作られたのではなく、ギブソンが日本で撮影用にキープしていた1本らしいです。2018年に作られた日本限定品。68年カスタムの50周年モデル。その際に“本来は68年にはなかった白をやろうと”いう話になって作られたモデルだと思います。
色がポラリス・ホワイトっていうのがいいですよね。これは持っていると黄色くなりますか?
なりますよ。まず、白といっても、ざっと「ポラリス」「クラシック」「アルペン」の3つがあるうちで、このギターは「ポラリス・ホワイト」。これはヴィンテージらしい白になります。ただ、黄色くなるのは、ホワイトの白い塗料じゃなく、トップのクリアコートなんですよ。最近のギブソンにはそのトップコートにアンティーク・コートと呼ばれるタイプのコートを使っているから、最初からビンテージの様な雰囲気になっています。勿論、紫外線を浴びれば、更に良い感じの黄色に変わっていく筈です。
2018年スペック『1968 Les Paul Customホワイト』
▲Gibson Custom Japan Limited Run 1968 Les Paul Custom
Polaris White VOS
販売価格=538,000円(税抜)
元々、1968年にレスポール・
このギターでは、68年のメイプル2ピース・トップ、マホガニー・1ピース・ネックというのが目玉スペック。特にネックはロングテノンでジョイントされ、グリップも68年カスタムを再現。ピックアップも68年製を再現するカスタムバッカー(アルニコⅡ)だ。これらの「68年」の部分は2018年に50周年だったアニバーサリー・モデルとしての特別仕様だ。そのモデルを日本向けにポラリス・ホワイトにした、という贅沢なギターだ。
ところで、今年は夏のNAMMが中止、来年のウインターNAMMはかろうじてオンライン開催らしいです。この数年は秋には翌年のモデルのリリースがありましたが、今年は?
この数年のように、前もっての発表は今年はなさそうです。元々カスタムはNAMM時点で発表だったし。ただ、年内にカスタムから“ギターレジェンド”のシグネチャーが2本同時にリリースされるはずです。詳しくは言えないのですが。
記事では実名出せませんが。実名を聞くとすごいですね。そのうち1本は初めてのリリースですね。あと来年はSG誕生から60年ですから、その辺の噂は?
知りません。61年と言うとSGだけでなく、ES-335とかの人気スペックもあるし、10年前の50周年の時はメインが335でしたよね。SGはディッキー・ベッツがあの時でしたね。
でも、先日、レギュラーでスイング・アウエイとヴァイブローラを搭載したSGが同時発売されましたよね。あれを見て、2021年はカスタムでいよいよSGか? と僕はにらんでいるんですが(笑)
あのSGのスイング・アウエイのアームはパーツとしての完成度は高いです。設計図通りというか、今の工作技術で作られているから、良い出来だと思います。ただ、今売られているSGはレスポール・スタンダードのレプリカ度に比べると、ちょっと物足りない。やはり、今のヒスコレのレスポールが凄すぎるからだけど、SGももう少しシルエットとかの考証を詰める余地がある。ボディ、特にヘッドの形も。ヴィンテージを完全レプリカするか、トレモロのように昔の設計図通りに作るのでもいいと思います。それに、SGにはJrやカスタムもあるし、色のバリエーションはレスポールより面白い。ビジネスチャンスになると思っています。
【1階】 レギュラー・・選べるLPスタンダード エピフォン・・リーズナブルな1959モデル
1階の在庫品ですが、今日はレスポール・スタンダードが25本ぐらいですか?大量に入荷していました。圧巻です。
“レスポール・スタンダード”というとソリッドのマホ・バック、メイプル・トップで2ハム・・とか誰でもそういった仕様を漠然と思い出しますよね? 今のレスポール・スタンダードはカスタムショップもレギュラーも仕様は同じ“レスポール・スタンダードになった。もちろん、2階にあるカスタムショップは作り方とか細部の仕上げ/仕様は違うんだけど、値段も倍ぐらい違う。マニアックな人には2階、3階、4階にご案内するけど、30万円ぐらいまでで、ギブソンのスタンダードが欲しいというお客様には喜んでもらいたいです。
以前のように、“トラディショナル”と“スタンダード”の違いの説明が不要になりましたものね。しかし、すごい本数が展示されてて、好きなのを選べますね。
選ぶポイントは杢目でも、サウンドでもいい。杢目は派手なのでもいいし、薄めでリアルなのものでもいい。ネックのフィーリングや個体の重量の違いもあります。当店はもちろん通販もしていますが、店頭には選べる本数があるから、ご来店いただいて、選んでいただきたい。観たり、弾いたりする時に「俺のレスポールはやっぱかっこいいな」と思っていただくこと。その満足感がとても大事だと思っています。
杢目・サウンドが選べる! レギュラーの『LPスタンダード』から
▲Gibson Les Paul Standard 50's
販売価格=212,000円(税別)
▲Gibson Les Paul Standard 60's
販売価格=212,000円(税別)
この2本は取材日に店頭にあった20本程度のスタンダードの中か
あと、エピフォンの1959レスポール・スタンダード。これはすごいですね!75,000円でバースト・バッカー2と3、いいキャパシターとトグル・スイッチもついている。加えて、ブラウンのハードケース付き。
ああ、あれね。あれは良いですよ。どこが1959なのか突っ込みたくなりますが(笑)。
ネック・プロファイルが59年らしいですね。というか、“1959”を“キング・オブ・レスポール”の代名詞としてるんじゃないでしょうか?
カスタムとエピフォンのコラボというのが画期的ですよね。木部とか仕上げとかは75000円とかだけど、ピックアップなどはすごく良いのが付いている。まるで「リトルリーグの野球に大学生のお兄ちゃんが代打で出てきてホームラン打っちゃう」みたいなインパクトがある(笑)。
たしかに! 高校生の文化祭バンドとかで、他のギタリストと一緒になっても音で負けることはまずないでしょうね。
でも、塗装がサテンみたいな艶消しだから、、
それはガンガン弾いて、どんどんキズ付けてくれ、ってことだと思いますよ。僕の世代でも国産LPタイプに海外ブランドのPUが2個付いたのがあって、いいなあと憧れた。初心者の頃はそれでもあれから40年近く過ぎて、次々とステップアップしましたから。
エピフォンとカスタムのコラボが画期的と言っていたけど、まさにその通りですよ。エピフォンは元々ニューヨーク発祥の都会生まれの一流メーカー。でも、60年代にギブソンに買収されてから、ギブソン傘下で流浪の身になっちゃう。
JCカーレイCEOが「エピフォンもオーセンティックなブランドだから力を入れる」と言っていましたよね。
そうそう。今回は、エピフォンとカスタムだけど、ブランドの組み合わせは色々とできる。例えば、エピフォンとカスタムのセミアコがコラボすればナッシュビル製のカジノ。モンタナとコラボでモンタナ製テキサン。それはジョン・レノンだったり、ポール・マッカートニーだから、絶対に売れますよね。実現すれば、エピフォンが流浪の民から、やっと同じ屋根の下で暮らせる(笑)。
そういう風に進むと良いですね。ブランド内の垣根が無くなると僕らの夢が広がります。
バーストバッカー搭載の『エピフォン1959LP』
▲Epiphone 1959 Les Paul Standard
販売価格=75,000円(税別)
販売価格が75,000円のエピフォンながら、ギブソンのカスタムとコラボレーションしたレスポール。さすがにギブソンのレスポール・スタンダードやカスタムと比べると59年タイプといえる場所はネックのシェイプ程度となってしまう。しかし、PUにバーストバッカー2と3を搭載、Malloryキャパシター、スイッチクラフトのトグルSWなど、電装系が秀逸。その辺はレスポールのサウンドのエッセンスを持ち合わせている。また、ネックのグリップがカスタムとコラボレーションしているということは、ユーザーにとってのファースト・レスポールとして、ギブソン/ギブソン・カスタムへの階段を上る一段目にふさわしいエントリーモデルだ。
【3階】 ES・・従来はNGのオーダーの組み合わせにも対応した製品が登場
前回もお聞きしましたが、ESシリーズの工場がメンフィスからナッシュビルのカスタム内に移転しました。前回の取材ではそれほど入荷数が多くありませんでしたし定番品が中心でした。今日見たところ、数も増えたようですけど、限定品やオーダー品も入荷していますね。
まず、ナッシュビルでのESの生産はとてもいい。それは元々、スペースが広いということ。あとは、メンフィスから移動してきた熟練のスタッフに加えて、ナッシュビルの新たなスタッフが加わり、二十人規模で生産されていると聞いています。
メンフィスが閉まる時には、ESは工程が手作りの部分も多いし、バインディングなどは手間だけでなく、スペースがないとしづらい部分もあるだけに色々言われましたからね。CEOのJCカーレイ氏は去年のインタビューでナッシュビルのESについて「あとはバインディングを何とかしたい」と言っていた記事を見たことがあります。それが整ったのでしょう。
ナッシュビルも設備やスタッフは確保できているし、新規のスタッフも技術面では全く問題ないと思います。それどころか、ナッシュビルでは生産能力が高いようで、期待できます。定番モデルだけではなく、限定品や日本からのオーダー品が今店頭に並んでるのはその成果です。それにナッシュビルのヘッドクオーター(本社機能があるオフィス)にスタッフが集まっているのもメリットですね。
それは?
今までだとNGとされていたオーダーが柔軟になってきています。今回の限定品にもそういう品物が入っています。
ほぼクラプトン仕様の『64年型ES-335』
▲Gibson Custom 1964 ES-335TD VOS Grover / Cherry
販売価格=535,000円(税抜)
現在、ナッシュビルのカスタムで製作されているESシリーズ。このギターは1964年スタイルのES-335のカスタム・オーダー品。64年製は、時期的にチェリーのカラー、ショート・ピックガード、ブロック・インレイといった代表的な特徴がある。このギターでは「CUSTOM」と書かれたトラスロッド・カバー、ゴールドのグローバー製チューナーを採用している。つまり、エリック・クラプトンが愛用していたES-335に近づけた仕様になっている。そして、センター・ブロックは64年当時は写真右のPU取り付け穴が大きい60'sスタイルと写真左の50'sスタイルが混在していたが、本機は50'sスタイルで作られている。シグネチャーではないが、随所にクラプトンを思わせる仕様を取り入れたES-335だ。
ビグスビー付の黒い『59年型ES-355』
▲Gibson Custom 1959 ES-355 VOS Bigsby Ebony / Black
販売価格=650,000円(税抜)
こちらもナッシュビルのカスタムで作られた最新のリミテッド・モデル。黒のES-355というと以前は、ピックガード・レスのものをキース・リチャーズが愛用し、世界的にリスペクトされていたが、最近、日本では生形真一の使用で人気が高まった。このギターは1959年タイプに当初からビグスビーを取り付けてあるES-355だ。ボディ、ネックの塗装がエボニー・ブラック、パーツ類はゴールド、指板材はエボニー、マザー・オブ・パールのインレイ、トップのバインディングが7層など、355ならではの格調高い特徴をもつ。
【4階】 アコースティックは生産の幅がやや広がる。エピフォンのエクセレンテが登場
アコースティックは?
春にモンタナの工場でも閉鎖があって、その影響でナッシュビル同様に生産は遅れなどの影響が出ています。(※前回のインタビューでは閉鎖がなかったとしておりましたが、当方の調査不足でした。謹んでお詫びします。by ギタータウン)最近になってレギュラー・モデルの入荷頻度が上がり、店内の在庫でも2020年モデルが充実してきました。当社カスタムオーダー・モデルの一部の入荷見込みが立ったとの情報が入っています。もう少しで具体的にアナウンス出来ると思いますのでお楽しみに。
今回、店頭ではエピフォンのエクセレンテが数多く入荷しているのにびっくりしました。
Masterbuilt Exellenteですね。当店では数多く仕入れました。元々エクセレンテというのは1963年から64年に少数作られたレアなギターです。今回、アジアの工場で作られ、値段の割には本物(ヴィンテージ)に肉薄した完成度の高いルックスで注目度が高いですね。
オリジナルのサイド&バックはハカランダ材仕様でしたが、オバンコール材の採用でかなり似た雰囲気に仕上げてきています。
5ピースのネックとか、バックがオバンコール。
トップはスプルースの単板だし、5ピースのネックは低価格モデルだと、手間ばかりかかるけど、しっかりやってる。オリジナルはハカランダだったですけど、オバンコール材でかなり似た雰囲気に仕上がってる。
あとは、インレイも凝ってるし、ピックガードは?
鷲ですね。ギブソンのハミングバード、ダブと揃えてみたくなりませんか?。
ここでもJCカーレイ氏がCEOになって「エピフォンも“オーセンティックなブランド”だ」と語っていたのが形になっていると感じますし、ギター選びにおける「ルックス」ってとても大事な要素だと思うのですが、十分に満足させてくれる仕上がりに今後の展開に期待が出来ます。
オーセンティックなエピフォン! 『エクセレンテ』
▲Epiphone Masterbuilt Excellente
販売価格=98,000円(税抜)
1963年から64年にかけて141本しか生産されなかったエピフォンのアコースティック・ギター、エクセレンテ。オリジナルのヴィンテージではサイド/バックがハカランダで作られていたが、今回はオバンコール材を単板で使用することで、その雰囲気を再現しようとしている。トップ材はスプルースの単板。加えて、メイプルとウォルナットによる5ピース・ネックにセンター・ストライプが入ったネック。指板にはエボニー材、ナットはボーン、チューナーはゴールドのワッフルバックのカバーなどを見ると価格破壊と言いたくなるほどの豪華な仕様。また、デザイン面でもエクセレンテの特徴である鷲のピックガードとパール・クラウド・インレイなどを再現。さらにFishman Sonitoneオンボード・プリアンプ・システムを搭載している。由緒正しいオーセンティックさ、コスト・パフォーマンス、実用性を兼ね備えた1本。「ギブソンだけでなく、エピフォンもオーセンティックなブランドだ」と語るJCカーレイCEOの言葉通りのエピフォン・アコースティックだ。
モンタナ製のギブソンのハミングバードも良いのが来ていますね。
このタイプは久々の入荷になりますね。
サーマリーウッド採用の『1960 ハミングバード ADJ』
▲Gibson 1960 Hummingbird ADJ Saddele
HCS Thermally Aged
販売価格=488,000円(税別)
モンタナで作られているギブソンのアコースティック。今回記事で取り上げたのは、スクエアショルダー代表機種であるハミングバード。当時の仕様を基にし、サドル部はオリジナル仕様のアジャスタブル・サドルを採用したモデルとしてリリースされている。(※ノーマルサドルモデルも同時にリリースされている)
このギターでは熱処理により、重さが軽く、ヴィンテージ風のサウンドになることで好評のサーマリーエイジド加工がされたシトカ・スプルース材をトップに使用。サイドとバックはマホガニー材だ。サーマリー・エイジド加工技術と薄い塗装が合わさり、ギブソンの繊細なアコースティック・サウンドをダイナミックなボリュームで表現できる。近年のギブソンのアコの評価の高さがうかがえる。
かっこいいピックガードの図柄、ゴージャスなポジション・マーク、ゴールド・カバーのチューナーなどルックス面でもダブとともにギブソンのアコースティックを代表する1本だ。
G-Club Tokyo
G-Club 東京は御茶ノ水、駿河台下の世界最大規模のギブソン・ギター専門店。
1階のギブソンUSA/エピフォン
2階のカスタム製ソリッド
3階のセミアコ/フルアコ
4階のアコースティック
とそれぞれのフロアに高い専門性ある在庫と知識豊富なスタッフが常駐しているのが特徴。
世界でもココにしかない在庫やヴィンテージ、リーズナブルな中古まで、ギブソンのファンなら訪れるたびに新しい発見ができる楽器店だ。
G-Club Tokyo 〒101-0052 公式ホームページ https://www.kurosawagakki.com/sh_g_club/ クロサワ楽器 G-CLUB TOKYO 【メインアカウント】 https://twitter.com/GCLUB_TOKYO |
Interview & Photo / Masanori Morihiro (Guitar-Town)