ドット、PAF、チェリー、人気仕様ばかり　ES-335 1961年

東京・中目黒のディア・プルーデンスに1961年製のES-335が入荷した。この個体はほぼオリジナルのコンディションを保っており、チューナーもオリジナル・パーツはケース内に保管されているように歴代のオーナーのケアが行き届いた逸品だ。

▲GIBSON ES-335 1961年
価格=ASK (価格は取材(2020年4月)時点のものです。)

オール・ラウンダーとしてのES-335

ES-335は1950年代後半に登場した。元々、ギブソンではアコースティック/フル・アコースティック・ギターの長い歴史がある。またフルアコでもシン・ボディのES-125を'46年に発売するなど、当時もギブソンの伝統に基づきつつ革新的な製品を開発するイノベーターだった。ES-335はソリッド・ギターのレスポールの要素を取り入れ、’58年に誕生する。それはシン・ボディのアコースティック構造のボディ内部にセンター・ブロックというソリッド構造を持ち込んでいるのだ。さらに当時最新のハムバッキングPUであるPAFを2つ搭載していた。

このようにES-335開発のメイン・コンセプトはフルアコとソリッドの中間だろう。サウンドはソリッドの要素が強く出ている。しかし、ソリッドに比べ、奥行などと呼ばれる豊かなアコースティック感もある。フロントPUの甘い音はジャジー、センター・ポジションでは歌もののバックに、リアは大音量のロックに・・と後年に進化する音楽シーンで、常に愛されるオール・ラウンダーとなった。

1961年という貴重な年式

ES-335は’58年サンバーストのラリー・カールトンや’60年グローバー改造/チェリーのリトナー、’64年のブロック・ポジションのエリック・クラプトンなど、愛用したギタリストに応じたアイコンともなっている。今回はディア・プルーデンスに入荷した’61年の特徴は次のようなものだ。

• ボディ全面のカラーがチェリー
• PAFを搭載
• ショート・ピックガード
• ドット・ポジション・マーク

などが挙げられる。本機は、それらの特徴を極上なコンディションで現在もキープしている。

ボディ/ネックはコンディションが良く、PAFを2つ搭載。あえてペグを最近の「クルーソン・タイプ」に交換しており、ボタンが崩壊しやすい「オリジナルのペグをケースに保管」している。かつて、この時期の335はPAFだけを取り外されたり、グローバーのペグに変更されていた履歴があるものもある。本機は修復できない交換や改造の履歴も見られない。本機は、歴代オーナーから大切にされつつ、適度に使用されている点でも貴重だ。

▲ボディ / チェリーのカラーが特徴だが、塗装などのコンディションはキープされており、シースルーで透けて見えるトップには木目が特徴がある。

▲ピックアップとピックガード / ピックアップはPAF、ピックガードはこの時期に335専用として設計されたショート・ガード。

▲ヘッド

▲ヘッド裏 / 本文にあるように現在取り付けられているチューナーは近年のもの。

▲オリジナルのチューナー / オリジナルはバードケース内で保管。今後もボタンの崩壊には注意してもらいたい。

▲ネック / 当時のギブソンの薄めなグリップ。

▲ネック・ジョイント部

▲指板とポジション・マーク / ローズウッドの指板とドットのポジション・マーク

▲バック

GIBSON ES-335 1961年

Bookmark取材協力店 : Dear Prudence

https://www.j-guitar.com/shop/detail.php?shop_id=16

価格=Sold

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ドット、PAF、チェリー、人気仕様ばかり　ES-335 1961年

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