アメリカの音楽シーンに彗星のごとく登場した女性シンガー・ソングライター、マディソン・カニンガム(Madison Cunningham)。彼女の音楽は、主にカントリー・ミュージックを好むアメリカ人たちに好まれ、2020年のアルバム『Who Are You Now』がグラミー賞のベスト・アメリカーナ賞を2022年は『Wednesday』がベスト・フォーク賞を受賞している。彼女の歌声とともにモジュレーション・エフェクトを効かせたギターサウンドが特徴だ。そのギターサウンドにはストーリーがある。
JHS PEDALS Artificial Blonde
▲価格=オープン(市場想定売価/42,350円(税込))
『Who You Are Now』ではアルバムのプロデューサーのTyler Chesterが、JHS Pedalsにモジュレーション・ペダルに関してコンタクトしたことから始まる。その際には「JHS Emperor Chorus / Vibrato」使うことで、彼女の出世作となったアルバムが完成した。その後、JHS Pedals創設者のJosh Scottとマジソンは親交を深めていく。Joshは、あるサウンドチェックで、彼女のEmperorは、ビブラート・モードで常にONになっており、特定の曲では、速く、深い、別のビブラート・トーンにしようと何度も手を伸ばすことに気づいた。そこで、Joshは「ライブでもっと使いやすくできないか」と考え、彼女のための全く新しいプロトモデルを製作した。このプロトモデルを1年ほど使い、製品となったのが、今回のマディソン・カニンガム・シグネチャー・ペダル「Artificial Blonde」だ。
構造的には、スピードとデプスを2種類設定できるビブラートを内蔵し、それらをセカンダリー・フットスイッチで切り替えるだけのシンプルなビブラート・ペダルだ。しかし、清涼感あるビブラートとレンジを切り替えることでギミック的な使用も可能なため、シンプルながら意外性もある。
マジソン本人が出演し、解説とデモ演奏をしている動画を見ると彼女のサウンドを下支えしている重要なエフェクターであることがわかる。
また、ビブラート・ペダルは極度にシンプルなものが多いが、このように新しい使い方ができる製品が発売されるのは喜ばしい。よりクリエイティブな音楽に寄与する可能性がある。
《Spec》
■入出力端子:インプット、アウトプット (L/R)
■コントロール:VOLUME、EQ、SPEED A、DEPTH A、SPEED B、DEPTH B
■スイッチ:ON/OFF、A/B切り替え
■電源:DC9V センターマイナス
【製品問い合わせURL】
https://jhspedals.jp/