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Guitar Doctors File - ESP CRAFTHOUSE

Feature

渋谷のESP CRAFTHOUSEはアーティストの聖地

ESP CRAFTHOUSEは、ESP製品に特化したダイレクト・ショップというスタイルの楽器店だ。そして、店舗の3階は『ESP ミュージアム』となっている。これは歴史的にESPではアーティストをフォローするアーティスト・リレーションの拠点を同店に置いていることも関係している。そのため、在庫がESPブランドが中心で、ミュージシャンのシグネチャーモデルもフラッグシップ・モデルなどが充実している。また、オーダーメイドでもゆっくりと内容を相談できる環境が整っている。この空間はプロ/アマ問わず使われている。つまり、憧れのミュージシャンが来店してミーティングしたのと同じ空間で誰でもギターをオーダーできるのだ楽器をただ展示して、販売するだけではない、スペシャリティ性高い聖地と言えるのが『ESP CRAFTHOUSE』だ。

 

▲2階フロアは、ESPフラッグシップ・モデルなどの特別モデルを含む商品在庫を持つ売り場であり、ミーティングスペースでもある。

▲ESP CRAFTHOUSEの3階の『ESP Museum』。ESPのアーティストにとって聖地ともいえる特別なショップ。

 

Staff Interview

ESPは日本を代表するギターブランドだ。拠点は日本だけでなく、アメリカやヨーロッパにもある。現在、ESP CRAFTHOUSEにリペアスタッフとして在籍している石井 規一(いしい・のりかず)はNori Ishiiとして、アメリカとドイツのESPに勤務していた。ドイツでは、マスタービルダーとしてだけでなく、アーティストのケアなど総合的な業務を経験。そこでカイ・ハンセン、アレキシ・ライホなどをはじめとする世界的ギタリストと深い親交ができたという。そんな石井 氏に経歴と現在の渋谷での仕事について訊いた。

リペアースタッフ・プロフィール

石井 規一(いしい・のりかず)

アメリカとドイツのESPでマスタービルダーを経験。世界的アーティストのギターを手掛けた腕利きリペアスタッフ

 

-石井さんのキャリアを教えてください。

石井 : ESP ミュージカルアカデミー ギタークラフト科を卒業後、ESP東京工場に勤務しました。その後、アメリカのNYと短期間ですがLAのESPに異動し、さらにドイツでESPマスタービルダーとなりました。ドイツのESPは楽器店と同時に、ESPブランドのヨーロッパ拠点でもあります。入社してからは今年で34年ぐらい、帰国後、渋谷に赴任してからは18年ほどです。今でも海外勤務時代に交流があった世界的な有名ミュージシャンが普通にお客様としてご来店、または、リペアやモディファイなどを依頼して下さいます。

-ドイツでもミュージシャンと深い親交を持つESPのスタイルは日本とそんなに違いはなさそうですね。

石井 : はい。でも、世界的なミュージシャンならではの使用実機やヴィンテージなども持ち込まれました。そういった場合、日本のESP流の調整が好評でした。というのも、例えば、弦高調整などは、日本では1弦=1.2mm、6弦=1.5mmなどの細かい指定が入ることも多いです。しかし、アメリカもドイツもシンプルなんですよ。

世界のどこにいるかに関係なく、私はお客様が実際に「どうしたいのか」を聞き取って、相談しながら調整します。その上で、さらに、攻められる部分は攻めて対応しています。

-カイ・ハンセン、アレキシ・ライホなどもそうでしたか?

石井 : カイ・ハンセンとはドイツ時代に懇意にさせていただきました。私が日本に帰った後も、彼が来日した際には連絡をもらって、この店に来店してもらいました。彼が来日した際には連絡を貰って、ツアー前にメンテナンスをしています。アレキシ・ライホはESPとエンドース契約する以前、初来日時に紹介されてから来日時にメンテナンスを行ったり、このお店にも来店してもらいました。

-カイやアレキシのギターをケアしてきたビルダーに自分のギターを渋谷で見てもらえるというのはすごいですよね?日本ではどんなアーティストを?

石井 : 個々のお名前は申し上げられません。が、日本のアーティスト・リレーション拠点なので多くの方がお見えになります。

 

渋谷の中ならリハから本番の合間の緊急対応もできます。

-渋谷という土地柄はどうですか?

石井 : 東京の大消費地でアクセスがしやすいこと、また、当店の近辺はホールやライブハウスが多いのが特徴だと思います。

-そういえば、お店の周辺はホールやライブハウスが多いですね。

石井 : ビッグネームの方でも、リハーサル中などで不具合は出ますので、緊急でお持ちになることもあります。それに近隣のライブハウスなどに出演される方も同様にです。例えば、PAの方から楽器のノイズの多さや電気的な劣化、イントネーションの悪さを指摘されたり・・

-自分では気が付かない不具合もありますものね?

石井 : 大きな音だと気づきやすいし、音響のプロなどに指摘されて初めて気づく人も多いです。そういう場合、本番に間に合う緊急対応をします。フロイドローズなどでも、時期や(ライセンス)ブランドで構成パーツが異なります。緊急の場合、適合するパーツを使って、本番に間に合う対応をしたり。

-すごいですね

石井 : 緊急の修理に限らず、絶版パーツの適合なども把握していますから、リペアやチューンナップにも対応できます。

 

フィーリングが大事な「フィンガーランプ」なども製作できます。

-緊急対応ばかり訊いてしまいましたが、ヘビーな修理などは?

石井 : 店内では限界がありますが対応しています。というのも、お客様のご要望をお訊きしているのは私ですから、できるだけ工場向けの案件にはせず、私が対応するようにしています。

最近だと、ベースのフィンガーランプの製作とかも好評です。フィンガーランプは形状や取付ける場所など、ベーシストのこだわりのパーツです。素材も木製だけでなく、アクリル製や移動式などもできます。これらのフィーリングに関わる部分は対面でご相談しながら作業するのがベストです。

 

『光速のギタリスト』 Joe-G さん登場!

インタビューの最中にギタリストのJoe-Gさんが登場した。Joe-Gさんはギタータウンで、彼のシグネチャーモデルPotalist-7完成時(2020年7月掲載)にロング・インタビューを掲載させていただいた。この日はそのPotalist-7の定期メンテナンスとチューンナップを石井さんに依頼した受け取りとのこと。急遽Joe-Gさんに話を訊いた。

▲インタビュー中に来店したギタリストのJoe-Gさん(写真左)。

-今日の来店の目的を教えてください。

Joe-G : 毎年、年末年始に“一年の厄払い”みたいに、リセットするつもりで、調整をお願いしています。それが仕上がったそうなので受け取りに来ました。

-今回の調整のポイントは?

Joe-G : このギター(Potalist-7)は音が少し固めなんです。私のアーティスト担当に相談したところ、「ネックプレートを(チタンから)ブラスプレートに。中でも『極厚のブラスプレート』に換えたらどうだろう?そうすると音が柔らかくなるよ」とアドバイスをもらいました。

Joe-G▲今回、調整したギターの完成時インタビュー。完成時の状況を細部まで取材しています。併せてご覧ください。

-ジョイント部分を見せてください。たしかに、厚いですね。このプレートは市販品ですか?

石井 : ESP Custom Labパーツから新たに販売されたプレートです。

-今回、石井さんが調整した部分はどの辺でしょうか?

石井 : 状態はとても良いですね。今回はネックプレートの交換。一緒に簡単なネック調整。冬場は特にネックは注意しないと。このギターはまだ新しいので、ストラップ・ピン、ペグなどのちょっとしたパーツの緩みを締め直し。内部ではアッセンブリーのクリーニングなどです。

Joe-G : 去年(2021年)はESPショップ各店でのクリニックもあったので、それ毎にクリーニングなどはしてもらっていました。私のギタープレイにはメンテナンスが不可欠です。ギターは常に最高の状態で弾きたいです。

-今年の活動予定や抱負は?

今年(2022年)はバンドのライブ・スケジュールが5月ぐらいまで入っています。それと今アルバムを作っています。これは昨年からやっているのですが、今年こそは絶対に出すぞという意気込みです(笑)。あと自分の曲も書いているので、そちらも今年、アルバムまで行けたら良いと思っています。

-突然、お呼び止めしたのにも関わらず、ご協力ありがとうございました。

ESP CRAFTHOUSE

〒150-0041
東京都渋谷区神南1-20-16
高山ランドビル2F

営業時間 :
[月~土]11:00~20:00
[日]11:00~19:00
[祝]10:00~19:00
TEL 03-3496-4850

 


※掲載内容は2022年2月時点の情報です。

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