高品質なペダル類や“戦闘力”と表現される実用性を重視したギター/ベースをリリースしているProvidenceからStriderが発売された。
Striderはボディのアウトラインこそトラディショナルなダブルカットで、ライトなエイジド加工を施しているが、各部の仕様はProvidenceらしい実用性が高いモデルに仕上がっている。今回は簡単ながらレビューしよう。
dS-205S RSV/LTD
価格=OPEN
※店頭参考価格=244,200円(税込)
*受注生産
▲BLK(ブラック)
▲OWH(オリンピック・ホワイト)
▲OTM(オーシャン・ターコイズ・メタリック)
Striderのボディは、多くのギタリストに馴染みが深いSTタイプのアウトラインで、ボディ材にはアルダーを2ピースで使用している。塗装はオールラッカーで、ライトエイジド加工を施しており、カラーは ブラック、オリンピック・ホワイト、オーシャン・ターコイズ・メタリックの3色がラインナップ。ネック材はメイプル、指板材はインディアン・ローズウッド、スケールは25 1/2 インチ(約648mm)となっている。ここまではオーソドックスな仕様だが、以下はオリジナルな仕様が続く。
ピックアップには
・B.P.M. Mini-Humbucker (ネック側)
・Providence eXII-S22 (センター)
・Providence eXII-H3CT3 (ブリッジ側)
を採用している。
このピックアップは、ネック側ピックアップB.P.M. Mini-Humbuckerのサウンドを基準として、ピックアップ・ビルダーの刈谷稔氏(Kariya-Pickups)の協力のもと、志村昭三がサウンドをデザインしている。
これは3つのP.U.は、サイズ/性質が異なる組み合わせのため、実はサウンドのバランスが難しい。形や性質が異なるP.U.を組み合わせれば、さぞ素晴らしい音になりそうだ。しかし、これだとP.U.の個々のサウンドキャラクターに統一性がなく、各P.U.個別の出力もまちまち。さらに、ミックス時には思うようなサウンドが出ない。極めて使いづらいギターになってしまう。だからこそ、個人が改造するならともかく、メーカー品としては、ほぼ存在しない仕様なのだ。Providenceでは、これらの対策をしたP.U.を開発し、統一感あるギターとしている。
これにより、ネック側では「温かみのある音色の中にしっかり芯のあるサウンド」、センターP.U.は、ネック側P.Uの強さに負けない6φ極太ポールピース・タイプで、「強めのシングル・サウンド」を実現。ブリッジ側では「パワフルで粘りのあるヘビーなサウンド」となっている。これにより、ロック、ポップ、ジャズなど、ジャンルを問わない、クリーンからハードなサウンドまでを網羅している。
また、定評のGotoh製SD91チューナーとGE101TSCブリッジを採用し、安定したチューニングと繊細なアーミングもできる。Providenceギターの上位機種と同様に、最終調整は数多の一流プレイヤーを長年手がけてきたセットアッパー志村昭三の手により、1本1本入念に組み上げている。これにより、Providenceギターが持つ電気回路/木部の仕様を最大限に生かしたサウンドとプレイアビリティを実現している。
Striderは一見トラディショナルな風合いこそあれ、各部の仕様とセットアップは“戦闘力”と呼ぶにふさわしい。
《Spec》
■Body : Alder 2 Piece
■Neck : Maple 1 piece /240R
■Fingerboard : Indian Rosewood
■Frets : Jescar #9665-SS
■Scale : 25 1/2 inc
■Tuners : Gotoh SD91-05M
■Bridge : Gotoh GE101TSC
■Pickups : B.P.M.製Mini-Humbucker (Front), eXII-S22 (Middle),eXII-H3CT3 (Rear)
■Pickguard : べっ甲柄3PLY
■Controls : 1 Volume, 2 Tone
■Switch : CRL 5 Way
■Jack : Switchcraft
■Body Color : BLK(ブラック)、OWH(オリンピックホワイト)、OTM(オーシャンターコイズメタリック)
■付属品 : ソフトケース、品質証明書
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