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実は個体数が少ない3コントロール、スラブ指板の1962年製Jazz Bass

オーソドックスなジャズベースというと1962年製スタイルの2V1Tで3トーン・サンバースト、ドット・ポジションのジャズベースを思い浮かべる人も多いだろう。日本ではフェンダー・ジャパンを中心に80年代から“JB-62”などの名称で、定番の人気商品となっているからだ。また、音楽シーンではレッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズの影響が大きく、彼が1962年製(一説には61年製の改造とも言われる)ジャズベースを愛用していたのも理由かもしれない。どうあれ、少なくとも私は62年製スタイルを思い出す。

 

いきなり根拠が薄い書き出しで恐縮だが、中目黒のギターショップ、ディア・プルーデンスにリッケンバッカーの取材で行ったところ、“1962年製、3コントロール、スラブボードのジャズベース”を見せてもらった。最初、「え?何を今さら?」と思ったが、この仕様はジャズベースの代表的な年式だが、この仕様のFender Jazz Bass 1962年製Jazz Bassは少ないのだ。


▲Fender Jazz Bass 1962年製

 

ジャズベースの誕生

世界初の量産エレクトリック・ベースのプレシジョン・ベースをフェンダー社が発売したのが1951年。プレシジョン・ベースは57年までにコンター加工、スプリット・ピックアップを搭載し、現代に続く仕様が固まった。続いて1960年に登場した新製品がジャズベースだ。

 

ジャズベースはジャズマスターの意匠を受け継いだ左右非対称のオフセット・ウエスト・シェイプのボディが特徴的。約38mmという細いナット幅もプレシジョン・ベースとは方向性が全く異なる。

▲ボディの正面から見た際に、ボディの左右が非対称だ。これは演奏者の身体にフィットするように「ボディの右側=座位での右ひざ」、「ボディの左側コンター=右腕」、「ボディ左側のストラップ・ピン=立位でのホールド性」、「ボディ右のネック・ポケット=最終フレットまで手が届く」「バック・コンター=腹部」など、身体が楽器の接触する部分を重視して設計している。その結果、立位/座位を問わず演奏者の身体にフィットするデザインとなった。

▲ナット幅は約38mm。同時期(68年まで)のプレシジョン・ベースのナット幅は約44mmなので大変スリムなネックだ。

エレクトロニクス面でも革新的で、シングル・コイル・ピックアップを2つ搭載し、それらをブレンドすることで、ハムノイズに強く、ナチュラルで、幅広いトーンを生み出すことができる。発売当初は2ボリューム/2トーン。これはピックアップごとにボリューム/トーンを1軸の金属製のスタック・コントロールでコントロールする。特にトーンは10段階のクリックがついているという凝ったものだった(最近デビューした1960年モデルのジャズベースのニュース記事も書いたので、そちらもご覧いただきたい)。

スタック・コントロールは62年前半にはベークライト製のノブの2ボリューム/1トーンに変更される。機能としては簡略になったが、ブレンドによるトーンの変化は十分。むしろ演奏中に直感的に操作できる仕様変更だ。

▲スリムなピックアップを2基搭載。それらのブレンドで様々なトーンをクリエイトできる。そのため、スタックよりも演奏中に操作しやすい2ボリュームと1トーンに変更された。

 

ラウンド指板への仕様変更

フェンダー社では1962年後半にメジャー・アップデートがあった。その際にローズウッド指板の仕様が変更される。ジャズベースも肉厚なままのローズウッド材をメイプル材のネックに貼ったスラブボードから、ラウンド指板に変わる。この際、ジャズベースもラウンド指板に変更された。

 

その後、ジャズベースはポジション・マークの変更やメイプル指板の登場、ネックのバインディングをはじめ、様々な変更やバリエーション・モデルが登場し、現代に続いている。

 

現在でも“JB-62”のように総称される仕様のレプリカはフェンダーのカスタムショップ/USA、メキシコ、日本製などでラインナップされている。しかし、62年前半に2V1T化。続いて、62年後半のラウンドボードへの変更。それらのモデルチェンジが直前/直後にあるため、スラブボード期の2V1Tのヴィンテージ品は知名度の割に本数は少ない。


オリジナルのコンディションばかりだが、このベースで目についた特徴を下記に掲載しよう。

▲出荷時に取り付けられていた(フロントPU直上)「ピックアップ・カバー」、(リアPUの後方)「ミュート」、(ブリッジ直上)「ブリッジ・カバー」の取り付けネジ跡が残っている。また、3弦付近にはリアPUからの平らなアース線が見える。

▲ヘッド裏には3個目となるストラップ・ピンを装備。

▲65年までの仕様であるドットのポジション・マーク。ジョイントのネック・ポケット部はやや膨らみがある。バック・コンターはかなり大胆な曲面。

 

▲バック

ディア・プルーデンスでは、このギターを通常店頭にはディスプレイしていない。実機をご覧になりたい場合、事前にアポイントの上、来店いただくことをお勧めしたい。


Fender Jazz Bass 1962年

W/Brown Tolex case

 

Bookmark協力店 : Dear Prudence

https://www.j-guitar.com/shop/detail.php?shop_id=16

取材時(2020年9月)の価格 : ASK


取材協力店

東京・中目黒のヴィンテージ・ギター専門店

“Dear Prudence”

ディア・プルーデンスは、海外からの仕入れたアイテムに強いヴィンテージ・ギター&アンプの専門店。フェンダー、ギブソンだけでなく、リッケンバッカー、グレッチ、ヘフナー、VOXなど、店名の由来となっているビートルズ関係のギターは特に豊富。それに加えて、アンプやエフェクターもヴィンテージ品を中心に取り扱っている。

商品はコレクション向けだけでなく、プレイヤーズ・コンディション品やトリビュート・バンド御用達のモディファイ品まで様々。気になるギターがあれば問い合わせてみよう。


Dear Prudence

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