《速報》アイバニーズからAZSシリーズが発表。21年夏発売予定。

アイバニーズからAZSシリーズが発表された。本モデルの発売は「本年夏ごろ」が予定されている。実機は見てはいないが、支給された資料類から、わかる限りの情報をまとめて簡易レビューしたい。

発売されるのは、トレモロ付とハードテイルの2機種で、説明すべきポイント=見どころが満載だ。

AZの一員としての特徴

Single-Cut “AZS” Body

一見するとトラディショナルなシングルカットのボディデザイン。しかし、コンター加工が随所に施されている。まず、トップは右ひじが当たる部分、バックにもコンター加工が施されている。また、ボディのくびれ部分もトラディショナルなモデルよりも細めだ。これらにより、シングルカット・モデルのサウンドを持ちながらギタリストの身体的フィット感を高めている。

Seymour Duncan Magic Touch-miniとAlnico II Pro Customを搭載

ピックアップはセイモアダンカンと共同開発した特製PUを2基搭載している。
ネック側はMagic Touch-Miniを搭載。このピックアップはミニ・サイズのハムバッキング構造。ヘッドルームがあり、ファットなサウンド、後述のタップ機能を使った多彩なサウンドメイクの要でもある。
ブリッジ側はAlnico II Pro Customを搭載。こちらはミッドレンジがピークで、ウォームなトーン、長いサステインを目標に開発された。”Twangy”と呼ばれるサウンドを目指している。

Steel pickup mounting plate

AZSのルックスやサウンドで特徴になるのが、スチール製のピックアップ・マウント・プレートだ。というのも、PUはボディにダイレクトに、ピックガードやエスカッションを介してマウントするといった方式でサウンドは変化する。AZSはピックアップをスチール製のマウントを介して取り付けている。これはトレモロ有無に関わらず採用されているAZSのこだわりポイントだ。

Non-recessed bridge cavity

トレモロ搭載モデルでは、ボディ・トップにリセス(アームup時用のボディざぐり加工)が無い構造だ。

Gotoh T1802 tremolo bridge

T1802 はIbanezとGOTOHがコラボレーションしたAZ専用のトレモロ･ブリッジ。
サウンド面では、サドルに硬質な切削チタンを採用。これにより、音の立ち上がりの良さとソリッドでファットなサウンドの両立を目指している。内部の重要パーツであるイナーシャ･ブロックには切削スティール素材を採用。これにより伸びのある高音域を目指している。
弦間ピッチも10.5mmというナロー･スペーシングで設計。アイバニーズを愛用するギタリストたちが好むテクニカルなプレイをサポート。ソウル・ミュージックなどで使われる弦をまたぐスキッピングなどの奏法もしやすい。

5 tremolo springs　w/muting rubber

独特の考え方に基づく方式だが、本機ではトレモロありのモデルでは5本のスプリングを装着するのがデフォルトだ。これは弦の振動をよりロスなくボディに伝えようとする発想だ。それに加え、スプリングの共振、共鳴といった悪影響を抑制するために、ゴム製のスプリング・ミュートを装備している。

Ibanez F1803 bridge、Gotoh/Ibanez co-designed　"In-Tune" saddles

GotohとIbanezの共同開発で誕生したのが “In-Tune”カスタム･サドルだ。これはハードテイルで、ボディとダイレクトに接ししている。弦間ピッチは10.5mm、サドルの側面は球面加工されており、弦ごとに異なる弦溝の深さが設定ているなど、AZS専用のチタン製サドルだ。

Control plate specially designed for AZS series

AZSのハードテイル･モデルでは、ノブ、スイッチ類のアクセス性を優先して設計している。そのため、コントロール・プレートはボディエッジに沿って、湾曲させた独特の形状となった。

dyna-MIX w/Alter switch

AZSでは2ピックアップながら、合計で5パターンのサウンド･バリエーションを備えている。シンプルなコントロールで、ハムバッキング/シングルの組み合わせを行き来できる。

Super All Access Neck Joint

シングルカットは、一般的にボディとネックの密着面積が大きいため、サステインやレゾナンスに優れている。反面、演奏性は低めになりがちだ。AZSではジョイント部には演奏性を高めたSuper All Access Neck Jointを採用。これはシングルカットのサウンドを保持しつつ、ボディ裏面からネック部にかけて8mmの高低差で段彫りしている。さらに接合部は球面に仕上げている。

S-TECH WOOD Roasted Maple neck

ネックには日本国内で特許技術を取得している窒素加熱処理技術の"エステック処理”が施されたメイプル材を使用している。この木材は形状の安定、反りへの耐久性、耐水性、温度変化に強いなどの特徴がある。気温、気圧、湿度などの変化に強い木材だ。

Bone nut

オイルを含有させたボーン(牛骨)ナットを採用している。これはチューニングの安定性に効果的で、鳴りの良さにも貢献している。

Gotoh Magnum Lock machine heads w/H.A.P.

チューニングの安定と弦交換の手間が少ないGotoh製マグナムロック・チューナーを搭載。
H.A.P (Height Adjustable Post)機構も搭載しており、弦のポストの高さを調節でき、各弦毎の微妙なテンション調整にも貢献している。

AZ Oval C shape

”AZ”での最大の特徴の一つとして好評な「AZ Oval C　(オーヴァル”C”)」をAZSシリーズにも採用している。
ネック幅はナットで42mm、最終フレットで56.4mm。つまり、ロー・ポジションでは狭めにして握りやすく、ハイ・ポジションでは親指をネック裏に置くクラシカルなスタイルでの演奏性を配慮している。またフレットにはジャンボフレットを、サイド・ポジション・マークには蓄光素材のルミンレイを採用している。

トレモロ付モデル

■AZS2200-BK

トレモロ付 / ソリッドカラーのベーシックなモデル

▲AZS2200-BK
価格=オープン(ハードシェル･ケース付)
想定売価204,000円(税別)

■AZS2200F-STB

トレモロ付 / フレイム･メイプル材トップ《SPOT品》

▲AZS2200F-STB
価格=オープン(ハードシェル･ケース付)
想定売価254,000円

■AZS2200Q-RBS

トレモロ付 / キルテッド･メイプル材トップ《SPOT品》

▲AZS2200Q-RBS
価格=オープン(ハードシェル･ケース付)
想定売価259,000円

ハードテイル・モデル

■AZS2209H-PBM

ハードテイル / ソリッドカラー

▲AZS2209H-PBM
価格=オープン(ハードシェル･ケース付)
想定売価199,000円

■AZS2209H-TFB

ハードテイル / バーストカラー

▲AZS2209H-TFB
価格=オープン(ハードシェル･ケース付)
想定売価199,000円