Gibson(USA)からTony Iommi SG Specialが発売

ギブソンからTony Iommi SG Specialが発売。今月から順次出荷される。これは昨年(2020年)初めにギブソン カスタムからエイジド/サインドが発売されたが、今回はレギュラーのギブソン製品で価格は343,200円(税込)というリーズナブルな価格だ。

トニー・アイオミとSG

トニー・アイオミはブラック・サバスのギタリストだ。今回発売されたのと同じ改造SG Specialの通称“Monkey”は彼の初期のアイコンでもある。特に名曲が目白押しの『黒い安息日』や『パラノイド』といった初期のアルバムではSG スペシャルが活躍したとされている。1970年当時は、(レスポールは再生産されていたが)SGが人気機種であり、P-90を2つ搭載したSG スペシャルは価格が手頃なだけでなく、パワフル過ぎると感じたギタリストが愛用するギターでもあった。ただし、トニー・アイオミの場合、ピックアップのカバーがメタルカバーなこと、ブリッジもイントネーション調整可能なタイプに交換されている。その後のトニーはSG風のギターがアイコンとなるなど嗜好も変わり、ブラックサバスもラウドな曲が中心となる。ただ、半世紀を経て色褪せない名曲の数々がSG Specialを使って生み出された。

Tony Iommi SG Special

(右利き用)

(左利き用)

▲Gibson Tony Iommi SG Special
価格=343,200円(税込)ハードケース付/“Monkey”ステッカー同梱

今回発売されたTony Iommi SG Specialは、昨年発売のカスタム製をレギュラー品に置き換えた製品だ。

元となっているのは1964年製のSGスペシャルで、木部を中心とするボディ、ネック、ネック・グリップ、ヘッド形状。さらに、ネックのバインディングやポジションマークなどは64年製SGスペシャルに準拠している。しかし、ピックアップまわりやハードウェアは“Monkey”の意匠を継承している。

まず、ピックアップはP-90。ただし、ピックアップ・カバーはメタル製。ピックアップ・リングはプラスティック製となっている。この時点で通常のSGとはサウンド面で違いが生じる。また、ブリッジも通常のラップ・アラウンドではなく、各弦のイントネーション調整可能なアジャスタブル・ラップアラウンド・タイプを採用している。さらに、チューナーもグローバー製だ。

(右利き用)

(右利き用)

これらの変更がよりヘビーなサウンドになる、とは言わないが、(筆者の経験上、大改造でメタルカバーのP-90に変更するとブルージーな方向になった・・)通常のSGスペシャルとは明らかにサウンドが異なるのは間違いない。特に大音量のアンプと彼のエフェクター類と組み合わせれば、トニー・アイオミのサウンドに近づくはずだ。

今回は、トニー本人が左利きのため、右利き用だけでなく、レフティ用のモデルも発売される。また、ハードシェル・ケースの他、“Monkey”のステッカーが同梱される。ファンならトニーと同じ場所にステッカーを貼りたくなるに違いない。

(右利き用)

【製品ページ】
https://gibson.jp/electric/tony-iommi-sg-special
https://gibson.jp/electric/tony-iommi-sg-special-left-handed