アイバニーズからスティーブ・ヴァイの仕様を楽しめる低価格モデルJEMJRSP-PKが発売された。本モデルはHSHのピックアップ配置やダブル・ロッキング・トレモロを装備し、トゥリー・オブ・ライフの指板インレイにピンクのカラーリングを持つ。しかし、低価格帯を追求しており、エントリーユーザーやカラーリングで選ぶユーザーを対象にしたモデルだ。
▲IBANEZ JEMJRSP-PK
価格=99,000円(税込/ 税別90,000円)
ボディにはメランティ材を使用している。この材はフィリピン・マホガニーとも呼ばれる木材で、中音域からやや低音域に富んだ、明るく、ふくよかな音色と甘めのトーンが特徴。
古くから家具や建築材料にまで幅広く扱われた木材だ。ボディにはモンキーグリップというヴァイ・モデルの外見の特徴を踏襲している。ネック材はメイプルを使用し、指板はジャトゥバ材だ。
ピックアップにはIbanezオリジナル Infinity ピックアップを搭載。5Wayスイッチの2番&4番ポジションはフロント/リア・ハムバッキング・ピックアップのタップとミドルのシングルコイル・ピックアップのハーフトーン配線を施している。ブリッジはダブルロッキング・タイプのトレモロを装備している。
なお、本モデルは2019年まで生産されていたモデルのリバイバルで、カラーはピンクのみだ。
ギタータウンのコメント
スティーブ・ヴァイはギターテクニックだけでなく、様々な革新をもたらした。製品としてはH-S-Hのピックアップ配置を一般化させ、そのベストなサウンドをレコーディングした。また、ギター業界では80年代まで「死に色」と揶揄されたグリーンやピンクなどのカラーリングを採り入れても好調なセールスを記録した、などだ。
今回のモデルでは、それらの特徴は踏襲しているものの、使われている木材などのランクが低く、ヴァイの演奏を大音量で再現するには足りないだろう。しかし、ホームユースやトレーニングで奏法に欠かせない仕様は死守したモデルである。本格的にヴァイを目指し、ライブに出演するなら上位モデルを選ぶ道をお勧めしたい。
また、ピンク+ブラック系の鮮烈な印象は、とにかく目立つ。他にはめったにないカラーリングで、アイバニーズブランドなので、ピンと来た人にはオンリーワンのギターと言えるだろう。
《SPEC》
■Neck type : Wizard III Maple neck
■Body : Meranti body
■Fretboard : Jatoba fretboard w/Tree of Life inlay
■Fret : Jumbo frets
■Bridge : Double Locking tremolo bridge
■Neck pickup : Infinity (H) neck pickup
■Middle pickup : Infinity (S) middle pickup
■Bridge pickup : Infinity (H) bridge pickup
■Controls : Pickup selector 1 Volume, 1 Tone, 5-way lever switch
■Hardware color : Cosmo black
■String gauge (1st to 6th) : .009/.011/.016/.024/.032/.042