Epiphone Billie Joe Armstrong Les Paul Junior

エピフォンからビリー・ジョー・アームストロング・レスポール・ジュニアが発売された。ギブソンから彼のシグネチャーのレスポール・ジュニアもラインナップされているが、今回は、エピフォンから彼の名前を冠したモデルEpiphone Billie Joe Armstrong Les Paul Juniorが登場した。

▲Epiphone Billie Joe Armstrong Les Paul Junior
価格=81,400円(税込 / ハードシェルケース付)

このギターは、白いレスポール・ジュニアで、ヘッド裏に彼のサインが入っている程度で、他の部分はオーソドックスな仕様だ。しかし、もしシンプルな仕様のギターをエピフォンのコストパフォーマンスな価格帯で製作。指板がインディアン・ローレル、ピックアップがエピフォンの PRO P-90、エピフォンのヴィンテージ・チューナーとなっているが、それ以外は上位のギブソンとのスペックの差は感じない。

このギターはレスポール・ジュニアとして“当たり前”のことをエピフォンで再現している。回り道となるが「レスポール・ジュニアとは?」を少し解説しよう。

レスポール・ジュニアはトラディショナルなレスポール・シリーズの末弟として、カタログに登場した。先行して発売されたレスポール・スタンダードとカスタムは、構造や木材が豪華で価格帯もハイクラスとならざるを得ない。当時のギブソン社は学生でも手が届く価格帯のギターを必要としていた。そこで、スタンダード、カスタムを見直したスペシャル、ジュニアを開発した。それはトップのメイプルを不使用、ネック・ジョイントの変更、ジュニアでは1ピックアップのみ、バインディングなしシンプルなギターとなった。これらの変更は、すでにスタンダードなどとは別のギターと言ってもよいレベルだ。逆に、ギブソンが作ったスチューデント向けモデルとしてだけ観ると非常によく設計されている。

まず、ボディへのネックの差し込み方式が変更された。外形では、ネック・ポケット側に数ミリの膨らみがあるが、これでマホガニーだけのボディでもしっかりとした強度と鳴りを得ようとしている構造だ。もう一つは、1P.U.でも、今で言うブリッジP.U.の位置にP-90を配置した点だ。ジュニア以前の1P.U.モデルはネック側かセンター位置にP.U.を配置するのが通例だった。ファットなキャラクターのピックアップをブリッジからやや離した位置に配置しており、ファットにもブライトにもなる絶妙な位置である。スタンダードやカスタムとは違うサウンドだが、大音量にも耐えられる本格的なソリッド・ギターで、シンプルながら使い勝手も良い。これらが低価格帯ながら一流ギタリストが大きなステージでも愛用した理由だろう。

今回はエピフォン版なので、パーツの選択は限りがあるが、ジュニアの基本設計で充分な性能は発揮するだろう。また、CTSポテンショメータ付きマスター・ボリュームとマスター・トーン・コントロールは良質なサウンドを、ミディアム・ジャンボ・フレットは快適な演奏性を提供する。価格も81,400円という設定ながら、大変豪華なハードシェル・ケースが付属する。