日本製のハイエイド・エフェクター・ブランドとして知られるOvaltoneでは、“鵺-NUE DEVICE”というエレクトリック・ギターの内部パーツを発売している。これは従来のエレクトリック・ギターではコンデンサーが果たしていた役割を代替するパーツで、近年になって登場した。これは、ギターの「全体トーン」を変化させると同時に、ギターの「トーン・ノブ」を絞るなどの変化時のサウンドを劇的に変化させる効果が期待できる。
これまでのNUE DEVICEは、どちらかというと現代的、鮮やかなサウンドへ変化する方向性の製品が登場してきた。今回登場する“-鵺-NUE DEVICE TRIBUTE SERIES”では、具体的に歴史上、有名なコンデンサーをサウンドのモチーフにし、NUE DEVICEとしての再構築をテーマにしている。第一弾が“-鵺-NUE DEVICE TRIBUTE SERIES "THE BEE MOD"”となる。
▲-鵺-NUE DEVICE TRIBUTE SERIES "THE BEE MOD"
( ヌエデバイス トリビュートシリーズ ザ・ビー・モッド)
価格=5,940円(税込 / 税別5,400円)
-鵺-NUE DEVICE TRIBUTE SERIES "THE BEE MOD"は、バースト期と呼ばれる1958~60年のレスポールなどに搭載されていた“スプラグ バンブルビー のPIO(Paper in oil)”コンデンサーをモチーフに開発されている。
特徴としては、高音域の喰いつきがありつつ、滑らかな音色。歪ませた際の中低域の音の太さ、フロント・ピックアップでのツヤ感とタイトさの両立などが特徴となっている。また、トーンノブを絞り込んだ際のこもり感も再現している。
具体的なサウンドは、すでにOvaltoneが自社のYouTubeにアップしており、そちらをご覧いただきたい。
この動画では、同一のギブソン レスポールに様々なコンデンサーとNUE DEVICEを付け替え、トーン・ノブを10位置と0位置で同じフレーズを弾く、実証的な内容だ。
特に、動画の00:28から01:18付近はSprague Bumble Bee PIO 0.022μF 400VとOvaltone NUE DEVICE "THE BEE MOD"の弾き比べになっており興味深い。
ギタータウンのコメント
動画を観て、ヴィンテージのバーストと同じ音かというと、必ずしもそうではない。(そもそも搭載しているのが2011年製のレスポールだし・・。)しかし、サウンドのニュアンスは伝わってくる。アンプとの組み合わせや全体のシステム構成をヴィンテージ・ギターに寄せて、それらしい楽曲をプレイすれば、よりバーストに近いニュアンスも出せそうだ。
以下はレスポール好きとしての個人的意見としてだが、今どきのPAFクローンP.U.も評判が良いものはかなり高額だ。そんな中でTHE BEE MODの価格は5,940円(税込)というはかなり魅力的だ。ライブなどで実用するレスポールにTHE BEE MODを内蔵して、ヴィンテージ・ライクなサウンドを出したいというような人には一考する価値があるパーツとなりそうだ。
本製品に限らず、今後登場するであろう、-鵺-NUE DEVICE TRIBUTE SERIESのバリエーションにも注目していきたい。
なお、発売は2022年8月21日となる。
【製品問い合わせURL】
http://ovaltone.net/products/the-bee-mod/
※本記事のスペック、価格などは記事執筆時点の内容です。